ニューヨーク近郊の会計士 仕事日記 27  コミュニケーションのイロハ 2

アメリカで就労するためのビザについて

 

こんにちはー 駆け出しブロガー会計士、らーきいです!

僕はBIG4での監査経験を経て現在USCPA監査人としてアメリカのニュージャージー州の会計事務所にて主に日系企業の監査、レビュー業務に携わっています。

前回に引き続きコミュニケーションスキル、ここでは聞くため技術を解説していきます。

聞くための技術

良いコミュニケーションの初めはまずはどのように相手の話を聞くか、です。もちろんただ聞くのではありません。どのように聞いたら「相手の自尊心を満たせるか」ということが上記からの最重要ポイントになります。平たく言えばどのようにコミュケーションすれば相手に「いかに自分の事が相手にとっては重要な人である」と感じてもらえるかです。この対局となる心理は相手に対する無視、無関心、否定などになります。つまり会話中(それ以外にコミュニケーションにおいても)これらはタブーになるということです。

ですので相手のはなしは「しっかり」と聞きましょう。相手の話をさえぎるのはかなりの悪手です、やめましょう。相手が発言したがっていたら発言権は譲りましょう。会話中に意見否定はもちろん、否定形表現、No、いいえ、しかし、でも、などの反論表現も避けます(もちろんビジネスの場面や自分の権利等が絡む場合はまたトーンは変わりますが)。

相手からの信頼を勝ち得ようと思ったら基本的には相手を「肯定」すること、つまりYESとポジティブで反応します。あいづちも「そうだよね」「なるほどなるほど」などが多用されるべきです。

そして基本は相手からの情報に興味を持とうとすること。興味を持てない話題でもそれでも会話中だけでも「興味をもってみようと努力してみる」だけで変わります。最初はフリでもいいのです。よく聞いてみたら本当に面白いかもしれません。相手に話を真に楽しもうとすることがいい会話の近道といえるでしょう。

また、感情と身振り手振りを使う、相手のテンションやペースに合わせることは重要です。そして聞くにあたってはただ聞くのでなく必ず「うなずき」や「相槌」をすることで相手からもちゃんと話を聞いてもらっていると理解してもらえるのです。逆にそれがないと相手から「本当にこちらの話をきいているのかな?」と思わせる事が多々あるのでよくよく注意の上相手の話にあいづちを打ちましょう。

概要はこれくらいで、ここからは相手との会話をうまく進めるための潤滑油となるような具体的なテクニックをお伝えします。こちらから話すこともあるのですが、基本的には相手から話をよく聞き出すための傾聴のテクニックです。

相手から好印象となる雰囲気を作る基本4テクニック

 1.ミラーリング 
 2.ペーシング
 3.イエスセット
 4.トラックバック

ひとつひとつ説明していきましょう。

最初のミラーリングですが相手との会話中仕草や動作をまねることを指します。相手が水を飲んだかこちもら水を飲む。相手がひじをついたらこちらもひじをつく、などです。これは心理的に相手の行動をとシンクロさせることで好印象を持たれるというものになります。もちろん無意識的なものですので、あまり露骨にやって相手に「あ、こちらの真似しているな」と思われると逆効果なのでご注意下さい。

2番目のペーシングですがこれもミラーリング同様、シンクロによる心理効果が見込めるものです。これは相手のペースにすべて合わせてしまうというものです。具体的には会話のスピード、声のトーン、意見、表情、食事のペース、などなど。達人になると相手との呼吸のペースまで合わせてしまうといいます。こうした事がらを合わせることで相手に「あ、気が合うかもな」と思わせたり、違和感を感じさせないという効果があります。

ちなみに「違和感を感じさせない」というのは相手との間合いを詰めるのには非常に重要な項目で、逆に違和感を感じさせてしまうと相手と仲良くなれません。商談もまとまりにくくなりますし、異性からも倦厭されてされてしまいます。コミュニケーション全般を通して「違和感を感じさせない」というのは最重要事項の一つと言ってもいいでしょう。

3番目のトラックバックに移りましょう。これはいわゆるオウム返しの事です。つまり相手が言ったことをそのまま繰り返す。相手が「昨日は昼ご飯も食べられないくらい忙しくてね」といったら「昼ご飯も食べられなかったんですか!」と返したり、「私、キャンプが好きなんですよ」と言ったら「へー、キャンプが好きなんですね」と返す、これだけの事です。しかしこれは単純なうなずきなどと比べても強力な話法で、これを行うことで相手は「あ、ちゃんとこちらの話を受け止めてくれているな」と認識する事ができます。つまり好意的な表情なども織り込むことで相手への「強い承認」をすることができます。これが相手へは好意となり、会話が弾ませることが可能です。また少し複雑な会話となった場合、相手の言っていることを「なるほど、これこれこうで、このように思っているんですね」という風にうまく要約して相手に「あなたの意見をちゃんとわかっていますよ」とアピールすることも好印象に受け取られることが多いです。トラックバックのポイントは「あなたの事をきちんと理解しています」ということを伝えるためのテクニックだと理解しましょう。本当のオウムになってはダメです。

最後のイエスセットですが、これは相手に自分に対してポジティブな印象を持ってもらうと同時に相手をこちらの意向に誘導するための重要なテクニックです。具体的には相手がほぼ確実にイエスと答えるような質問を沢山投げかける事です。相手が運動が好きだという情報をわかっているのであれば「運動が好きなんですね」、コーヒー派の人であれば「コーヒーがお好きなんですね」、天気がよければ「今日は良く晴れていますね」、などなど。

なんでわざわざこんな当たり前の事を質問するのかというと、相手に「イエス」を言わせることが目的に他なりません。人間は肯定的な回答(つまり、はい、そうです、その通りです、など)をすることで質問を投げかけた相手に対しても肯定的な印象を持ってしまうという心理的なトリックがあるからです。もちろん逆もしかりで「No」という回答を沢山していれば言った相手にも否定的になります。そこでわざと肯定するような質問を沢山することで、自分に対してポジティブな印象を積み上げることができると同時に、いくつも「イエス」を積み上げていると、本来なら「イエス」と言い切れないグレーな質問にも「イエス」と答えてしまう軽い暗示にかかります。何を隠そうこの手法は営業マンが最後に自社の商品を買ってもらうためだったり、ナンパ師が相手とベッドインするために用いられる常とう手段、それだけ強力な話法になります。

次に紹介するのは拡張話法です。これは相手から好感を得るための会話の流れを説明しています。「話法」とついていますがあくまでも相手の話を主軸に組み立てるものですので相手から好感を得る事を主眼に置いた話を聞くためのテクニックとしてご理解ください。

拡張話法 5段階

1.感嘆

2.反復(トラックバック)

3.共感

4.賞賛

5.質問

順に説明していきます。まず感嘆ですが、これは相手の話に対して驚きや感動の念を表示するもので具体的には「え!」「すごい」「そうなんですか!」「うわあ」など、相手の話にしっかり反応して、ある程度感情的になった、という事を伝えましょう。

次の反復ですがこれは上記で説明したトラックバックの事で、感嘆の言葉のあとにつなぎます。これにより相手に「自分の話を聞いて感動した(驚いた、すごいと思った、等)んだな」と認識してもらいます。

次の共感ですが、相手が自分の話をしながら楽しんでいるのであればこちらも「それかよかったですね!」「楽しそうですね!」などと表情や声のトーンも楽しいものにし、相手が自身の残念な話で悲しい状況であれば「それは残念でしたね」「悲しかったのですね」などと共感する、という技法です。人間は共感されたいと思っていますし、共感してくれた相手には多少の好感を持つ生き物です。この傾向は特に女性が強く持っています。

次に賞賛です。これは相手の話の内容から相手が「ここが凄いポイントなんだ」と思っている点をすくい出し、褒める事です。当たり前ですが褒められて悪い気になる人はいません。特に自分の話にセールスポイントがある場合、そこは絶対人に反応してほしい、あわよくば褒めてほしいのです。そういう点を的確に見つけ出して褒めてあげることが好感に繋がります。一般的に会話の始まりや最中に相手をほめることはプラスですが、褒め方にも上手いやりかた、下手なやり方があります。この点については話すテクニックで再度後述しますね。

最後に質問ですがここまでに一連のテクニックが相手の話題を主題にしていることは明らかですが、最後にその主題に対しても強い興味を示していることを相手に伝えるのがこの質問の目的です。「あなたの話が面白くて興味があるのでもっとそれについて教えてください」という姿勢を見せるために、適切な質問を考えて投げかけましょう。

こうした一連の「相手を主役にする会話の演出」テクニックの目的は一重に相手からの好感と信頼を得る事です。同時に相手の自尊心を満たし、それによりその人から人望を得られることになります。この一連の行動が「楽しんで」できる人になれれば人気者への道は近い事でしょう。

さて、それでは次回は話すための技術について書いて行こうと思います。

こちらのブログ主はアメリカの会計業会に興味のある方や、アメリカで働きたい方へボランティアで相談に乗っています! 興味のある方はコメント欄やツイッター・X(@Larkey_Larkey)からご連絡ください!

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