ニューヨーク近郊の会計士 仕事日記 18 監査人・会計士とはどのようなヤツらなのか?

ニューヨーク近郊の会計士の日記

こんにちはー 駆け出しブロガー会計士、らーきいです。

現在USCPA監査人としてアメリカのニュージャージー州の会計事務所にて主に日系企業の監査、レビュー業務に携わっています。

さて今日は監査人の人柄について、もう独断と偏見でお話してみようと思います。

外から見る監査人(一般的には会計士)ってどんなイメージでしょうか? ピリピリした顔で眼鏡をかけている感じでピシッとスーツとタイを着ているビジネスマン風で、

パソコンとにらめっこしながら細かい数字を数えている、あるいは会社の数字に間違いがないかどうか見つけようとしている、ともすればクライアントが戦々恐々とするようなやっかいな存在でしょうか?

僕が監査人になる前にもっていたイメージはおよそそんな感じですね。個人的には以前ドラマでやっていた「監査法人」のイメージは強かったです。

じゃ本当にそうなのか、というと、かなりたくさん疑問符が付きます。これは日本とアメリカでも違うでしょうし、会社の規模感でもかなり変わる感じはします。そのあたり本当のところ監査人のイメージはどうなのかというところをお話ししましょう。(とりえあずですが、今の会計士はネクタイはしていない事が多いです)

本当の監査人の姿 1

結構ビクビクしている人が多めだったりします(もちろん全員じゃありません)。これにも理由があり、職業柄、会社の数字の辻褄があっているかどうかの確認をやっているので、手続きをしてみて実際にそういう間違いがみつからならなかったか、手続きに間違いはないか、自分の作った調書に穴がないか、お客さんに出す成果物に間違いはないか、そういった点を上司やクライアントから突っ込まれないかどうか、多かれ少なかれいつもおっかなびっくりな人たちなのです(何をかくそうブログ主もそうです)。

顧客にとって脅威として振る舞っているイメージはかなり”想像の産物”といえるでしょう(いや、お客や契約によってはそういう役柄になることも時にはありますが、、、)。

またアメリカの監査法人は会計士資格がなくても入所できますが、マネージャー職に昇進するには必ず資格が必要です。しかし結構日々の仕事が忙しいのでマネージャー前のシニアレベルになってもまだ会計士資格が取れない人が結構いるわけですね。ファームに事情にもよりますが特に大手になると彼らは何年もマネージャーにならずにシニアポジションを続けることはできないことがあるのでそのプレッシャーで胃をやられている監査人も結構います。

本当の監査人の姿 2

公明正大な会計判断、そんなフレーズがついて回りそうな会計士監査人ですが、まあ実のところクライアント寄りなところが大きいのも監査人の姿です。そもそも会計基準というが解釈の幅が大きい代物であるのですが、一応の数字上の修正が必要な間違いの基準値というものを設定するのも監査人です。勘違いしてはいけない所ですが、監査人1円1ドルの間違いも許さないのではありません。そんな間違いはその辺にいくらでも転がっているのでいちいち指摘していたら監査が終わりません。そこで「ここまでは見逃す、でもこれ以上は直してください」といった基準値を会社ごと年度ごとに定めるわけですね。この定め方もかなりやり方や解釈に幅があり、このあたり厳しくすればきりがないのですが、それではやはり監査がいつになっても終わらず、お客さんに頼まれた期日までに財務諸表が出せないよ、というような展開になります。なのでこのあたり監査人側は「しっかりみてるからね、プレッシャーもかけるからね!」といったメッセージを発しつつ、何のかんの言ってお客さんよりに仕事は進めるふしはあります。そもそもその監査の依頼主はクライアント企業自体であったりその親会社であったするため、お金を出してくれる「お客様」に対しあまり厳しい事をするのは監査法人の首をしめることにもなります。その匙加減が難しいところです。

本当の監査人の姿 3

上に逆らえないというのはサラリーマンの常ですが、監査人もしかりです。しっかり上下関係があるのは組織として当たり前といえば当たり前。しかもこの仕事は職人芸的な要素があり、監査手続きや基準の解釈の度合いなど非常にテクニカルな点があります。こうした「仕事の進め方」については上位や経験値の高い会計士監査人は下の監査人に対し非常にパワーを持ちます。知識不足で逆らえないという要素の他に、経験の多寡というパワーが働き、ヤクザほどでないにしろ意外と下の人間が上の人間に対し「白は白だろ、むりやり黒にすんな」という物言いができないカルチャーなのです。特に個人事務所の大先生の言う事は絶対、という話も聞きます。まあ、できるだけみんなに公正、すべての数字にも正直であるべきなのですが、こうしたパワーバランスが発生すると事務所内の政治力というのはつきものになり、監査人・ビジネスマンとしてレベルはそれほど高くないのに上に可愛がられているという理由でポンポンと出世して下に対していばったり、トラの威を借るキツネ化する輩もいますので、なかなかこの辺を含めると公明正大な会計士監査人、とかとも言い切れなくなってくるのです。

そんな実情も含めましてブログ主が今まで出会ってきた面白い会計士監査人の一部を紹介していきたいと思います。冒頭にあげた監査人のイメージは全く当てはまらない方々も多いです。下記名称は架空名か、もしくはニックネームとしています

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