B’z 楽曲レビュー#39 / 僕の罪 独自に解釈&解説!-Original

楽曲レビュー B'z

こんにちはー 駆け出しブロガー、らーきいです!
今回は前回の「いつかのメリークリスマス」に続き、1992年12月にリリースした4作目のミニ・アルバム「FRIENDS」に収録されている「僕の罪 」を独自に解釈し、解説します!  この時作詞者の稲葉さんは28歳。 

コンセプトアルバムである「FRIENDS」は収録される全楽曲で1つのストーリー性を持たせており、この「僕の罪 」は2曲目、4曲でそれぞれ表現されたテーマである「回想」「再会」「葛藤」「解決」の中で「再会」にあたります。このアルバムの中で「いつかのメリークリスマス」だけが群を抜いて有名曲であるがために、B’z好きなければほとんどの方が「え、あのクリスマスの続きあるの??」というリアクションになるかと思いますがストーリーに続きはあります。

あの名場面からどれくらい時間が経っているのは明らかではありませんが、未練を隠し切れなかった主人公。2人の関係はどのように進んでいくのか? 早速、その内容を一緒に観て行きましょう!

(著作権の関係により歌詞の表示が基本的にはできません。 以下の太文字””くくりにあたる部分は出典: 僕の罪 /作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘 からの引用です。)

やめた煙草に手を出すように
君に電話をかけている僕は

居心地のいい場所だけを
さがして歩くやつなのか
こころの隙を縫いながら
言葉があふれてくる 「会いたい」

時系列的には前曲「いつかのメリークリスマス」の後、別れを迎え未練を見せている主人公の新しい心境であるようです。

”やめたタバコに手を出すように”とは、どのように考えたらいいでしょう。

煙草がやめられない心理とはつまり依存です。主人公はそれだけ彼女の事が忘れられない、とはいえ“煙草がやめられない”とは一種の弱さであり、自分の負い目を示すものとも捉えられそうです。どんな負い目なのでしょう? それは後述します。

「居心地のいい場所を探して歩く」、聞きようによっては自分がとても都合のいいように行動しているように聞こえますね。心の隙間からこぼれる言葉であれば、精神状態が盤石であればこぼれてはこない言葉であると思います。つまり、いまは心が苦しい状態、だからこそ居心地のいい場所(=「君」)を探しているというわけです。

I KNOW I KNOW わかってる
まだまだ 時は十分に過ぎてない
僕だけのフライングだね
Don’t you know? 知ってるはず
完全に 僕の罪なんだ
罪がはじまってくりかえす *

“僕だけのフライング”、つまり終わった恋をもう一度取り戻すにしてもタイミングがある、今はまだ早いということですね。

終わった恋をまた始める権利を持っているのは当然「最初の恋を終わらせた人(振った側)」であることはわかると思います。しかしここでは「僕だけの」と言っている。つまりこれは一度「寄りを戻すための前振り」を“振った側(=つまり主人公)”が行った上で、再スタート地点を認識した二人がどう間合いを詰めるか、という問題を話しているのかもしれません。

とすれば単純に主人公が「寄りを戻すための前振り」を通過して、ただ単純にそのまま突っ走っているだけなのか。そうすれば自分から振ったクセにまた相手に接近してしまう、という「僕の罪」の何が罪なのかの説明もクリアーです。

聞き捨てならないのは「罪がはじまってくりかえす」のフレーズ、ということは、主人公はまた彼女を傷つける、ということを示唆しているのでしょうか。


髪形変えた 君はあらわれ
ときどき見せる 笑顔は変わってない

やりたいことをやるためだと
それぞれの道を選んで
別れたことをもうすっかり
忘れてしまいそうな時が続くよ

おそらく久しぶりの二人の再会のシーンなのでしょう。「髪型変えた」というところに時間の経過を表現していますね。

でもその笑顔(=君の大切な部分)は変わっていない 

どういう心のパワーバランスがあって二人が破局に至ったかは詳しく描かれませんが その失われた時とかつての二人のギャップをすっかり埋めてしまうかのような全く新しい二人の時間が流れています。


I KNOW I KNOW わかってる
まだまだ 時は十分に過ぎてない
僕だけのフライングだね


Don’t you know? 知ってるはず
完全に 僕の罪なんだ
罪がはじまってくりかえす *

(間奏)
しっかり君をつかまえろと
誰かが僕に囁くけど
何かが違うと感じるのは
僕がただ臆病なだけなのか

ささやいてくるのは一体誰でしょうか。内なる「僕」の声かもしれません。しかし以前とは何かが違うと主人公は感じます。その違和感は時が進むにつれてもっとクリアーになってくるかもしれません。

しかし今の主人公はその違和感をただの臆病心とすり替えます。それは恋しかった彼女の存在をまた失うことにたいする恐れのせいでしょうか?

何かが違うと感じることで再びまた失う事に対する恐怖を紛らわせている、そんなのはただの臆病心だ、と考えているのかもしれません。

I KNOW I KNOW わかってる
まだまだ 時は十分に過ぎてない
僕だけのフライングだね
Don’t you know? 知ってるはず
完全に 僕の罪なんだ
罪がはじまってくりかえす *
   出典: 僕の罪 /作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘

1番メロで記述した主人公が抱える負い目とはひとつ、つまりフラれたのではなく自分から振ったということですね。
2番の歌詞で「それぞれの道を選んで」とありますが、仮に話合いの上で別れたにせよ、別れという決断に対する気持ちについては2人には異なる温度感があったかと思います。主人公の方が決断に対する気持ちが彼女よりもある程度は強かった。でなければこちらからよりを戻そうと連絡できっこありません。

どうして彼女を振ってしまうことになったのかそれはアルバムの内容を追いながらこれから見えてくるかもしれません、が! 
それにしても間奏で不思議な違和感を覚える主人公、再会した二人の行く末には暗雲が立ち込めそうな予感が見えかくれしています。果たして二人の関係はどうなっていくのか?

次回、「恋じゃなくなる日」に続く!

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