ニューヨーク近郊の会計士 仕事日記 9 アメリカの会計事務所の就職にUSCPAは必要なのか?

USCPAの勉強法

こんにちはー 駆け出しブロガー会計士、らーきいです。

現在USCPA監査人としてアメリカのニュージャージー州の会計事務所にて主に日系企業の監査、レビュー業務に携わっています。

今日はUSCPAの資格について話してみようと思います。

日本でも取得を目指す方は増えていると聞いているUSCPA、これはUnites States Certified Public Accountantの略で 米国公認会計士資格とのことです。このUSCPA取得のための情報ブログなども数多く存在していてご存じの方はもうよく知ってらっしゃると思いますが、ここでは読者がUSCPAについて何も知らないという前提で広く浅く書きます。

この試験は会計や税務の専門家を目指す職業人の登竜門ともなる資格で、一般的なアメリカの会計事務所で管理職以上を務める場合、通常は必須の資格となります。科目はFAR(Financial Accounting and Reporting、財務会計及びレポーティング)、AUD(Auditing and Attestation 監査及びその他証明業務)、REG(Regulation 税務及び商法)、BEC(Business Environment and Concepts ビジネス環境及び諸概念)と4科目から成り立っており、ひとつひとつもそれなりに難しいです。科目別に受験することは可能ですが、1科目合格後、その有効期限は1年半で切れてしまうため、1年半以内に残りの3科目を合格する必要があります。

4科目すべてパスすると、申請州ごとの要件に沿って公認会計士ライセンスの取得を進め、このライセンスを取得できると申請州のBoard of Accountancy(会計ガイダンスや会計士資格を扱う州当局)から免許状が送られてきて晴れてUSCPAを名乗る(名刺などにUSCPAと書いたりできる)事ができます。

アメリカでは少なくとも難関資格(”CPAです”、と人に言えばとりあえず一発で”あ、CPAなんですね”という感じの反応をもらえます。日本で”会計士です”と名乗るのと同じような認識です)という位置づけになる試験で、日本が税理士と公認会計士で少なくとも名前も試験内容も分かれているのに対し、アメリカでは税金の専門家になる人も会計監査の専門になる人も基本的にはUSCPAを取得します。日本の監査人が基本的には公認会計士の2次試験を合格してから監査法人に就職するのに対し、アメリカの会計事務所の場合は特にUSCPAを合格していなくてもシニアレベルまでは監査業務に問題なく従事できるのは大きな違いです。

また、会計事務所に勤めなくても企業会計従事者でCPA取得者も多く、会計関連のプロフェッショナルであることを証明するような資格でもあり、MBAなどの資格に並ぶ有力ビジネス資格として転職でも無資格とくらべかなり有利になります。

そしてこのブログページのメイントピックとなりますが、会計事務所で働くにあたりUSCPAは必要か、についてですがこれは「従事する職階によります」という回答になります。上記でも軽く触れましたがスタッフとして雇われるにあたっては別にUSCPAのライセンスと取得する必要も試験にパスしている必要ないです。しかし注意いただきたい点としてUSCPAの受験資格があるかどうかは面接で問われることが多いかと思います。これも事務所によるかもしれませんが、少なくとも僕がBIG4の面接をした時も、今の事務所の面接を受けた時も面接官からUSCPA受験資格の有無は確認されています。

BIG4のDeloitteに入ってから気づいたのですが、新入社員の時点ですでにCPAに合格している人たちは、特に日本企業担当部ではなく、通常のローカル企業(主にアメリカの企業、デロイトには日本企業担当部や韓国企業担当部がメインのローカル担当とは別に存在しており、部署として明確に分かれていました。)を担当する通常のスタッフには普通に多かったです。やはり会計専攻の学生にとってBig4で監査業務に就くことは最も望ましい選択肢の一つとして会計のエリート学生が集まる傾向があります。MBAや会計専攻修士を修めた学生とってはUSCPAに合格していることはエリートとしては就業前の当たり前の通過地点、という感じが一部では浸透している気がします。それは日本の会計事務所と一緒ですね。もっとも難易度は日本の会計士試験の方が段違いに難しいようですが。

さて、スタッフやシニアレベルではなく、マネージャー以上の戦力として採用される場合は話が別です。何かのガイダンスで決まっているのかはわかりませんがどこの事務所に行っても通常、監査マネージャー職につくにはUSCPAが必要です。どこでも漏れなく100%そうかといえば例外もありましょうが少なくとも僕が見聞きした範囲ではその通りですね。それから監査ではなく税務においてはEA(Enrollment Agent)というアメリカの確定申告(Tax returnといいます)を専門に扱う資格がありますが、この資格でも管理職に就く人はいるという話を聞いたことはあります。僕が現在在籍している事務所は日系の企業が顧客なのですが、パートナーの中にはUSCPAこそ取得していないものの日本の公認会計士資格を有している人もいますのでアメリカの会計事務所としての法律上のそのようなルールとしてそのようになっているわけではなく、あくまで一般的な概念としてマネージャーになるにはUSCPAが基本的には必要という事になっているかと思います。

USCPAは日本でも目指す人の多い有名資格になってきています。USCPAの難易度やコストなどについてもどこかで書いてみたいですね!

僕のUSCPA奮闘記はこちらに書き留めましたので興味のある方は是非のぞいて行ってください。

こちらのブログ主はアメリカの会計業会に興味のある方や、アメリカで働きたい方へボランティアで相談に乗っています! 興味のある方はコメント欄やツイッター・X(@Larkey_Larkey)からご連絡ください!

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