働きやすさは?
さて、その働きやすさ、忙しさについてはどうでしょうか。私が今いる事務所についていえば働きやすいです。周りにいる人々が親切で思いやりがあり、とてもポジティブな職場だと思います。その一方、一般的に会計事務所とはどんな職場かという話するのであればやはりある程度ドライな場所であると思った方がいいでしょう。プロフェッショナルファームというのは多かれ少なかれUp or Outという概念がよく引き合いに出されます。つまり職階が上がらないのであればクビになる、ということですね。現状維持で止まっているような人はいらないので出て行ってください、と言われてしまうわけです。特にアメリカでは法律上、規制が非常に緩いので簡単に解雇されてしまいます。
ということで会計事務所で働くにあたり上昇志向や、新しい仕事にも積極的に取り組んでいく気概は絶対に必要です。しかし、しっかりとやってスキルを身に着けていけば定期的な昇進や昇給もありますし、有給だって普通に100%取れます(計画性は必要ですが)。特にコロナが始まってからいろいろなファームで完全遠隔就労になったという話も聞きます。私の事務所は現在週一回出勤ですが、正当な理由があればずっとリモートも可能です。
それにプロフェッショナルファームは特定の技能の職人集団ですから、別に職にあぶれたとしても他で仕事を探すのはそれほど難しいわけでもありません。そういった意味では個人的には忙しいながらもやりがいは大きく感じています。
日本と比べるとどうか?
さてさて、では日本の労働感覚と比べるとどうなのでしょう? あくまで個人の経験の比較になりますが、僕は大手の証券会社(SMBC日興証券、当時は日興コーディアル証券)での営業4年半と経営企画での事務職を半年ほどやっていました。証券会社は8時には出社して遅くともやはり7時から8時くらいには帰ることがことが多かったように思いますね、ノルマの消化次第でもあり、外回りが多かったので労働時間がそんなに長いとはあまり感じていませんでしたが、通常から12時間程度の拘束ですから長いですね。
次に経験した中堅規模の人材派遣業(日本エイム)の経営企画のスタッフは鬼でした、徹夜こそなかったものの朝9時に来て終電前は日常茶飯時、平均おそらく13時間くらいでしょうか。ずっとデスクで作業なので営業と比べさらに長く感じました。まともにやっていたら身が持たなかったイメージはありますね。そして土日にやらないと仕事が終わらないというような状況も通常でした。初めての事務職で仕事に慣れなかったというのももちろんありましたけれどもね。もう正直戻りたいとは全く思わない労働環境だったといえるでしょう。
当時よく考えてみたら日興証券での事務職も大分忙しいとは聞いていましたがいろいろ総合して考えると給料については同じスキル能力の人間が遂行したとして日興のほうが日本エイムのおそらく1.2倍から1.5倍くらいはよかったのではないかと思います。大手か中堅かでやっている内容がそれほど変わらないとしてもこれほどまでに給与や待遇に差がつくものだな、と不平等感を感じました。
そんなわけで現在のアメリカの会計事務所は日本の私がいた労働環境に比べれば優しめと言えるでしょう。経営企画の時は「ずっと続けてたら早死にするな」と思ったものですが、今は繁忙期でも「これは体にはあまりよくないなあ」程度になりました。
いろいろと要素があり単純な日米比較はもっと難しいのですが、やはり同じ労働時間、負担、報酬で比較するとアメリカにはアドバンテージがあることは否めません。近年の円安の影響もあり、アメリカで職を持っていることにはかなりの優位性を感じることはあります。アメリカで就職目指している方にはぜひとも頑張ってほしいと思っています。
さて、連載2回目にして次は何書こうか考えているので誰かヒントがあれば是非コメント欄からよろしくお願いします!
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