ニューヨーク近郊の会計士 仕事日記 10 USCPAって難しいの?

ニューヨーク近郊の会計士の日記

こんにちはー 駆け出しブロガー会計士、らーきいです。

前回に引き続きUSCPAの資格について書いてみようと思います。

前回トピックスではアメリカの会計事務所でマネージャー以上になるにはUSCPAが必要ですよ、というような話をしましたが、ではこのUSCPA、どんだけ難しいのでしょうか。今日はそのあたりについて触れてみましょう

さて、一般論で行くとですがこのUSCPAは日本の公認会計士よりは簡単でしょうが、そんなに簡単に受かる試験でもありません。USCPAの資格取得に必要な勉強時間は、一般的に1,200~1,500時間(Abitas ウェブサイトより)と言われているようですが、僕が思うのは個人差が非常に激しいです。関連しますが、挑戦するまでにどれだけ英語力(読解)があるか、簿記に関連する知識をどれくらいもっているかも重要です。学習科目、受験方法、受験資格、試験と合格の流れ、科目合格有効期間など、学習に関する予備知識も重要ながら、受験以前の問題である受験資格(州によって違う)や、合格後にどのようにライセンス(これがないと正式な肩書としてUSCPAを使用できない、つまり名刺などに記載できない)を取得するかなど、必要な知識は非常に多いです。

難易度を客観的に書いていくのは難しいので個人的な体験をもとにどんな試験か説明していきましょう。

受かる人、苦戦する人

アメリカで会計業界に何年もいると当然周りの同僚、後輩はUSCPAにチャレンジしますが当然みんな受かるわけではなく受ける人、受からない人、苦労して受かる人、楽勝で受かる人といろいろなパターンがあります。本当にこれは面白いですね。同じアメリカで英語で会計を修めて、土台に立っているのに試験合格に使う労力や期間は人によって全く違います。

例えばですね、僕がDeloitteで働いていた時にはBECやREG一科目あたりを1か月や2週間程度の勉強で合格している同僚がいました。事実です(彼らの性格から大げさに話したり、強がっているということもないと思います)。そんな人がいると思いきやBECを半年以上勉強し続け、4回落ち続けていた同僚もいます。手を抜いているかと思いきやそんなことはありません。彼の場合は妻子持ちで非常に忙しい反面、仕事以外の時間はびっちり勉強にあてており、使用教材もやりつくしてもう対策がないと言うほど勉強していたりします。こうしたケースを比べると「同じ試験か?」と疑いたくもなりますが時期は少し違うものの同じ試験であり、二人とも同じような教材で試験対策をしていました。ここから推測できるのはつまり個人の能力によって合否への道はこれほどまでに違ってしまうということです。だから上記に記載した所要時間はあくまでも目安としてしか使えないと思います。

僕の考えですが、受験勉強も含め試験というのは大きく記憶力と理解力でほぼほぼ解決できるものかと思います。このUSCPAも例外ではありません。記憶力とは文字通り一度認識したり理解した事がらを長い間覚えておく能力、そして理解力は複雑な概念やルールを迅速に論理立てて覚え、かつ覚えた概念を他の事象へ応用していくため能力(理解力と応用力に分けて考えることもできるでしょう)です。通常この理解力と記憶力が高ければ歴史など社会科目の暗記物はすぐに高得点を取れるようになります。さらに理解した事がらに対する応用力が特に高ければ数学や国語力、英語を含む外国語などもすぐに覚えられます。こうした能力のおいて高い素養があれば、素養の低い人と比較して信じられないほどの速さで試験合格が可能でしょう。Big 4に勤務する同僚は比較的こうした素養(才能ともいえるでしょうか)が高い人が多かったように感じます。

よく「USCPAは続けていれば必ず合格できる試験」と聞くのですが、僕は必ずしもそうとは思いません。その人の持つ能力が一定以上のものでなければ一生かかっても受からない人はいるでしょう。もっともUSCPAの受験資格を整え、模擬問題などでもそれなりに手ごたえを感じられるような人なら、継続すれば最後は合格するというのは本当だと思います。僕もそんな苦労組の一人でした。最後は気力でなんとかなりました、という人も多いでしょう。特に日本の会計士試験を突破した人なら英語力さえつければUSCPAは受かってしまう人が多いように思います(それでも見る限り「特に苦も無く受かる人」と「それなりに苦労する人」には別れるようです、これも上記の素養によるものかと思いますが、、、)。

横道:上記の理解力と記憶力はいわゆる「頭がいい」と言われる要素の一部(地頭とも言いいますか、最もわかりやすい部分かもしれません)ですが、他にもたくさんの「頭がいい」要素が考えられます。新しい事を考え、創り出す想像力、創造力、コミュニケーションをスムーズにする対話力、他人への共感力、段取りなどへの計画力、行動に移していくための実行力、新しい事を学ぶための向上心、努力の継続力、また、グーグルなどネットを使わなくても必要な情報をすぐに取り出せる知識力、そしてその積み上げた知識を頭の中で結合させて多くの社会的な物事を俯瞰して理解したり、人々の行動や心理、社会全体や周りの環境の未来を読んでいく総合的な知力など、むしろ社会に出てから重要となってくる「頭のよさ」に帰する能力はたくさんあるかと思います。

次回は僕自身のUSCPA合格体験記をお伝えします!

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