ニューヨーク近郊の会計士 仕事日記 番外編 軽く小説(的長さ)! USCPA合格まで道のりと彼女への感謝 日本編

USCPAの勉強法

転職、でもまだ悩める方向性

一連の転職活動とその実行は経理のプロとして早い方向転換をしたかったこと、その先としてUSCPAを目指すこと、この能力を通じてアメリカで職を得る道筋を考えたい、そんな風に考えたことが実際の行動に反映されていった瞬間でした。

しかし同時に混乱していました。証券営業を辞めた夏、彼女に会いにアメリカへ行きました。その時に僕は「一度距離を置いてみたい」と彼女に伝えたのでした。今思うとなぜこんなことを伝えたのか、どういうつもりで、そして状況を指して「距離を置きたい」と言ったのかも今ではよくわかりません。大企業を辞めて状況や給料が大きく変わると同時に、経理として基礎経験を積むことを考えたらすぐにアメリカへ来るような算段は立てられない、その一方で2007年から遠距離恋愛をしていてもう2年も待っている彼女への期待にもすぐ応えることができない、いろいろな事を同時に進めることが苦手な僕なのでうまくまとめられない状況から出てきてしまった言葉なのかもしれません。ただ彼女と決定的に離れるという事を望んだわけでは決してありません。その意味で非常に誤解を含んだ言い方をしてしまったのだと思います。

新しい職場は五反田。それまでは浅草に住んでいたものの、日興証券からは75%出ていたありがたい家賃補助はもうもらえず、安いアパートを探して千葉の松戸に引っ越すことになります。


採用は経理部員だったのですが、入社後すぐの面談で話が一転し経営企画に配属となりました。今思うと押し切って経理部に配属を依頼するべきだったと思いましたが、流れに押されたのと「経営企画」というピカピカした響きと初めての事務職を経験できるという期待もあり、そのまま経営企画部へ。その少し前からまず日商簿記の3級の勉強をしており、1か月くらいで取得したいと思っていましたが苦戦、そして経営企画部での仕事は初めての事務職としてエクセルに大苦戦しており、そして就業時間も証券営業のときよりもはるかに長かったため勉強ちっとも進みませんでした。彼女とは距離を置きたいと言いつつも今まで通りスカイプを続けたかったのですが、新しい職場でのあまりの忙しさに図らずも連絡が疎遠となってしまいました。彼女の事を考える暇もないくらい忙しくなってしまったのです。

経理で一人前になりたい一心でとにかく必死で働いていました。でもそれでいて業務は経営企画という、経理畑とは違う仕事をしているという矛盾も抱えています。そんな中、その秋に日商簿記3級を受験しましたが、見事に落ちました。全然箸にも棒にもひっかからないような点数で落ちたと記憶しています。普通に頑張れば普通に受かるであろう試験、普通に頑張ることもできないくらい仕事が忙しく、クタクタだったのです。しかもその仕事は経理とは直接的には何の関係もない仕事。僕にとって大きな目的に沿って動く分には明らかに赤信号が出ていました。

転職して3か月が経った12月、いつも毎年送られてくる彼女からの誕生日プレゼントが届きませんでした。これだけ疎遠になれば「そりゃそうか」と思う反面、でも「おかしいな、、」と思っていたのですが、忙しくてそのままに。スカイプもその調子でとにかく忙しくてそれまでの2日に一回のペースではなく週末だけ、といった頻度になっていました。僕はその次の週末に彼女とスカイプで話した時にある程度はっきりと彼女の意思が僕と一緒にいる未来から離れていっているのを感じました。

彼女との間に本当についてしまった本当の心の距離にショックを受けました。僕はすぐに大学の後輩で僕と彼女、二人の事を知っている共通の女友達アサコに会いアドバイスをもらいに会いました。「すぐに会うべき、アメリカにいって彼女とどうするか話すべき」そんなアドバイスをもらいました。アサコの助言を受けもはや理屈じゃなくて感情の世界だな、と理解しました。

僕はかなりサプライズに近い形で2010年の年末から翌年年始にかけてアメリカの彼女に会いに行きました。思い切ったアクションに彼女はかなり喜んで、かつ感動してくれました。そこで再び彼女は僕との関係を考え直してなんとか関係は持ち直しました。本当によかったです。彼女の家族は「ひょっとしてサプライズでプロポーズするつもりじゃない?」などと彼女に話していたようです。流石にそこまでの覚悟はなかったのですが、、、

ただ帰国後はそれでもしばらくの間どうすればいいかはあまりの忙しさと必死さにきちっと判断がつかない状況でした。

「忙」しい、とは本当に文字通り心を亡くすんだな、と今思うとその通りだなと思います。そしてそんなときは間違った方向に突き進んでいても目の前のタスクの山に隠れてしまいでまったく気づかないものだとも。

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